大判例

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東京高等裁判所 昭和32年(ネ)2174号 判決

控訴人等は当審で、右賃貸借成立の日時を昭和二十八年六月一日であると訂正主張し、これに対し被控訴人は民事訴訟法第一三九条に則り却下せられたいと申立てるので、まずこの点について考える。

記録によると、本件訴状は昭和三十二年二月二十一日控訴人等に送達せられ、その後原審においては、五回の口頭弁論を経、同年八月二十四日午前十時の第六回口頭弁論期日において口頭弁論が終結されているのであるが、控訴人等は当初より常に昭和三十一年一月二十日成立の賃貸借を主張していたことが明瞭である。しかも、成立に争のない甲第三号証の一、二によれば、本件訴訟前にも、本件家屋の競落人西原雪雄より控訴人三名に対する本件家屋明渡請求訴訟(東京地方裁判所昭和三十一年(ワ)第四、九八八号事件)において、控訴人等は昭和三十一年一月二十日成立の賃貸借を主張していたことを認めることができる。してみると、右訂正は少くとも重大な過失により時機に遅れて提出されたものと認めるのが相当であり、これを左右するに足る資料はない。

ところで、訂正前の主張によるときは、本件訴訟は後記の如く直ちに判決をなすに熟するのであるが、訂正された主張によるときは、その主張のような賃貸借が成立したか否か、又その賃貸借は仮装のものであるか否かについて審理を重ねざるを得ないこと多言を要しないから、これがため訴訟の完結を遅延せしむるものと認めざるを得ない。

しからば、当審における控訴人等の右訂正は、これを許さず、却下するを相当とする。

(柳川 中村匡 小河)

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